aki_omp2004-09-28

ジル・マゴーンの「騙し絵の檻」を読了。
ストーリーは無実の罪で投獄された主人公が仮釈放となり、そして真犯人を見つけていくというモノ。


まずは構成がかなり見事。
過去と現在を行き来する構成のタイミングが素晴らしく凄く良く出来てるなと思える。
そして、とにかく女性記者ジャンのキャラクタが魅力的。
このキャラクターがいることで主人公ホルトのやさぐれた感情が少しづつときほぐれていくのが良く、良いラブストーリーとしてもかなり読ませる。
サスペンスも満点で、調査をする内に明らかになっていく犯罪の疑わしい人々の内情が少しづつ明らかにされていくのもかなり面白く読めた。
そして、なにより最後の真実を明らかにしていくシーンが見事だ。
今までどう構成すれば良いのか解らなかった証拠心証がホルトによって語られていくのがとても面白く緊迫感があり、見方の角度を変える事によって見えてくる真実が最高だった。
誰が誰を騙しているのか?、つまりこのラストの面白さはそれ。
少しこの本読んで後悔するのは、解答編に行く前に自分なりに頭整理して少し前に戻れば良かったなぁと思った。
★★★★☆
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